DawnがASPサービスを始めた訳

GISパッケージベンダーのDawnがASPサービスを始めた。

GISパッケージベンダーであったDawnが地図表示の高速性を売りに自治体関係者に売り込み、様々な自治体にGISパッケージであるGeoBaseが入っていた訳だが、パッケージ製品としてはあまりにもお粗末過ぎた。パッケージは完全にモジュール化されていないといけないわけだ(実際にはそうなっていないモノが多い)が、パッケージとしてはあまりにもこなれていなかったため、SIerからの不評を買い、「ソフトウェア企業の競争戦略」の例に漏れず、自ら、SIも行うハイブリッド型に変遷していた。
このおかげで、利益率が落ち、苦境にあえいでいたわけだ。要は自治体へのプロモーション戦略の化けの皮が剥がれたというわけだ。
そこで、ASPサービスにより、ソフトのネット売りの方向に走った。この場合、Dawnの複雑な設定等カスタマイズは隠蔽でき(Dawn社員がやる)、現地に赴かなくても、製品を良く知っている社員が近くのiDCで複雑なGeoBaseの設定を行えばいいので、カスタマイズの効率化が図れ、パッケージベンダーでもあるにもかかわらず、自社の社員がカスタマイズを行い、GISアプリケーションを納品するという現在の非効率さを解消できるといったことを狙おうとしているわけだ。
今後、どうなるか要注目である。但し、見通しは厳しいと思う。
①信用を失った(SIerには完全に。自治体関係者にはどうか?)
GIS-ASPのノウハウをどれだけもっているか疑問。また、パスコが「我が街ガイド」で先行しており、競争も熾烈になってくると思う。
ただ、国産GISベンダーとして頑張ってもらいたいものである。ESRIに負けるな。


ドーン、住民向け地図情報サービスをASP方式で自治体に提供

ソフトウエア企業の競争戦略

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