ソフトウェア企業の競争戦略:水平型と垂直型

ソフトウェア企業の競争戦略の第2章を読んでいるが、「製品ラインアップと市場セグメンテーション」の項の「水平型」と「垂直型」が面白かったので、以下記載。

・水平型セグメントは、垂直型に比べてマス・マーケット型の市場であると言え、売り上げの規模は相当大きくなる可能性が高い。
・「水平型展開への誘惑」には十分用心すべきだ。
・水平市場を狙うためには、莫大な投資とスキルの獲得が必要とされることだ。
・求められているソリューションが明確な垂直型市場のほうが制覇は容易だ。
・もし、ある垂直型市場を押さえたら、次に別の垂直型市場、さらにまた別の市場と(SAPがおこなっているように)広げていくことができる。
・このように段階的に成長することで、最後に垂直型ソリューションを水平型ソリューションへと転換できるかもしれない。
・小さくとも魅力的な垂直型市場が、そのようなスタートを切るには絶好の場所であると思われる。

これを読むと、以下にマスマーケットを対象にした水平型製品をヒットさせ、成長させていくのかが難しいかがわかる。

日本のGIS業界でも水平型ビジネスを目指していたドーンであったが、厳しい状況にあると言える。
「ソフトウェア企業の競争戦略」に記載されている例に漏れず、ドーンも製品企業からサービス企業にシフトしていっているようである。

以下はhttp://www.hikari-investment.co.jp/meigara/20050121.htmから

2303 ドーン  -32000  202000
20日、発表した04年11月中間期の単独業績は、売上高が前年同期比12.7%減の3億2300万円、経常利益は35.5%減の4700万円となった。05年5月通期経常利益は前期比66%減の5100万円になるとの見通し。従来予想は2億1000万円。従来は増収増益を見込んでいたものの、GISソフトの受託開発事業で大型案件を受注できず一転して減収減益見通しとなった。これが嫌気されて株価は大幅に下落している。(13:35)