Yahoo!がついに始めた

Yahoo!がついに、ポータルのポジションをうまく利用して空間データ(主にPOI(Point of Interest))を集める仕組みの実験を開始した。Yahoo!民事再生法を受けたアルプスを買ったのはこの仕組みを構築して、ローカルデータを収集し、きたるべき日本でのローカルサーチの競争に備えるのが目的だったと思われる。
検索エンジンに例えると、人間の手によるディレクトリ検索が今回の人間の手による空間データ収集に位置するのだと思う。
一方、Google Localはタウンページの情報とページ内に含まれる住所からインデックスを作り空間検索しているようである。ローカルサーチにおいても、機械(Google) 対 人間(Yahoo!)の構図ができつつあるようだ。
タイミングがいいことに、今週の週刊ダイアモンドの特集
インターネット”第二次革命”の全貌
において、井上社長が以下のようなコメントをしている。

「今後はネットでリアルを伸ばすビジネスが増える。両者の接点が地図だ。詳しくは言えないが、今の地図には”不都合”が多い。提携では不十分と判断して買った。」

この不都合が多いというのは今の地図は
・年1回の頻度での更新では、鮮度がすぐ落ちてしまう
・きめ細かなローカル情報が地図上に落ちていない
等が考えられる。

「いつでも正確なYahoo!地図」は口コミで--ヤフーとアルプスが実験

●引用
ヤフーとアルプスは9月28日、「Yahoo!地図情報」の情報をユーザーからの投稿によって更新する実験を開始した。実験運用は6カ月行われる。

 Yahoo!地図情報は、月間総ページビュー約3億7000万のインターネット地図サイトで、地図データはアルプスが提供している。新規施設のオープンや既存店舗の閉店といった地図情報は、アルプスが独自に調査、収集して定期的に更新しているが、この方法に加えて全国のユーザーから身近な地域の情報を募集することで、より早く正確で詳細な情報の更新につなげる。

 ユーザーは、地図詳細ページから情報を投稿できる。投稿する内容は、施設の名前や種類、情報の内容などだ。主な募集対象情報は、「コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなどが新たにオープンする」「地図に出ている店やビルの名前が変わった」「近所のスーパーが閉店した」などを想定しているという。投稿された情報は、アルプスが1件1件確認し、正確な情報と認めれば順次地図に反映される。投稿に関しては、対価や謝礼などの支払いは一切ない。