PHSの可能性

この本を読んでPHSの可能性を感じた。一度は死んだと思われた携帯だが、投資効率が30%を超えるプライベートエクイティファンドのカーライル(元IBM会長のガースナーが会長)がウィルコム(元DDIポケット)に出資することで、俄然その可能性に現実味を感じさせる。ウィルコムは今後、要注目である。

PHSが携帯に比べ有利な点は以下である。
・携帯は将来的に周波数が足りない状況であり、PHSはマイクロセルということもあり、周波数を有効活用できる点で、今後、携帯の周波数問題を補うことができる可能性がある。
・携帯は上記状態であるため、通信と通話の双方を定額制にすることはなかなか難しい(こんなことをしたら、完全に周波数が枯渇する)。しかし、PHSは周波数を有効に使えるので、通信と通話をあわせた形での定額制を先に実現できる可能性がある。
→ビジネスユースに完全に訴求できる(エアエッジの発展形)
ARPUに関しても、PHSは携帯よりも低い。そのため、通信・通話の定額制になり、ARPUが伸びなくなったとしても、PHSは十分に儲かる収益構造となっている。
・また、PHS端末に関しても、携帯よりも小型化が容易であり、効率的な通信が可能となる。基地局の高度化、端末の高度化とあわせて、3Gレベルの通信速度確保が可能となる。
・中国の携帯ユーザの2割がPHSである(これは中国の携帯電話は通話時、双方に料金が課金されることにより、顧客がPHSに流れたという事情もあるが)。アジアではPHSが育つ土壌ができつつある。
→アジアでブレイクすることにより、規模の経済を活かし、PHS関連の部品を安く作れる。