R&Dマネジメント研修

11月29日〜12月1日の3日間、R&Dマネージメントに関わる研修を受けた。
技術の棚卸(自社技術の要素分解(T:Technology))を行い、顧客ニーズ(M:Market(顧客提供価値))を明確にした上で、その顧客ニーズを実現する上でのF:Function(効用)を洗い出し、Tと結びつける(マトリックス化する)ようなことをした(MFT分析)。
・このマトリックスにより、顧客のニーズを実現する上での機能を実装すためのTが自社に備わっているかどうかが分かる。
・顧客のニーズがクリティカルなもので、そのニーズを満たすTが自社内にあれば、コア技術という見方が1つある。
・但し、ここに競合の視点も入れて、このTが競合優位性がある戦略技術なのかどうかも判断する必要がある。このニーズが競合ももっているようなある程度一般的な技術の場合、基盤技術となる(あって当たり前で差別化できない)。
・また、Mを満たすTがない場合(競合にもない)は、(持続的)イノベーションを起こせる可能性がある。競合がもっていた場合は、競争を有利に運ぶための時間的制約もあるので、Make or Buyの判断が必要となる。
・Tをコアにする時には上記、競合の視点と時間軸の視点が必要である。Tが他社と比べ、強くても古い技術であった場合、新しい技術に勝てない可能性がある。この場合はコアとは言えない。
実際やってみて、
・MとFを明確化させることが非常に難しかった(これはニーズが見えていないことの裏返しといえる)。
・また、技術者においても市場ニーズや求められる効用をある程度把握しておく必要があり、実際現在取り組んでいる技術がニーズを満たし、かつ競争優位性があるのかを戦略的な視点で捉えておく必要があることを痛感した(当たり前かもしれないが、技術オリエンテッドでいくと、上記視点が抜け落ちることはよくあると思うので)。

現在のR&Dはオープンイノベーション型になってきており、上記手法を用いて、自社のコア技術を同定し、非コアの技術に関しては外部から調達といったことが行われている(米国西海岸型)。但し、コア技術を見誤ると、本来コアにすべき技術を外部調達してしまうことにより、後で痛い目に合う可能性があるので、見極めが非常に重要である(IBM PCのCPU、OSの外部調達、Yahooの検索エンジンGoogle採用等)。

研修で聞いた話は以下とほぼ合致
http://www.adl.co.jp/contents/ma3_09.html

SMT手法に関しては以下参照
http://www.adl.co.jp/se2.html