SaaSのプラットフォーム

SalesforceがAppExchangeというネット上でのアプリケーションプラットフォームを発表した。MSのプラットフォームはOS(Windows)だが、SalesforceはオンデマンドCRMで培ったノウハウを生かして、SaaS(Software as a Service)のプラットフォームを目指そうとしているようである。

「ライバルはマイクロソフト」--プラットフォームベンダーを目指すセールスフォース

●引用
 AppExchangeは、Salesforce.comのユーザーやパートナーが独自のアプリケーションを構築した場合、そのアプリケーションを他のユーザーに提供する場となるものです。AppExchangeにて公開されたアプリケーションは、開発者が自由に価格をつけて販売することができ、ユーザーも自社に必要なアプリケーションだけを簡単にダウンロードして利用できます。つまり、オンデマンドアプリケーションの共有が可能となるのです。これまでSalesforceで提供していたアプリケーションは、CRMを中心とする営業ツールが主でしたが、AppExchangeでは人事や経理など、幅広い分野に最適なアプリケーションが数多く用意されています。

「アプリケーションのロングテール理論を実践する」と語るベニオフ氏
 インターネットの世界では、例えばAmazon.comの売上の多くが実店舗では手に入らないようなニッチな分野からの売上となっていることから、ニッチなニーズの重要性を示すロングテール理論が注目されています。AppExchangeは、アプリケーションビジネスのロングテール理論を実践するものです。この世にアプリケーションは数多く存在しますが、大多数の人が汎用的に利用できるのはほんの一部しかなく、多くの場合企業で独自に開発したりカスタマイズしたりするものです。そうしたアプリケーションをAppExchange上で共有すれば、同じようなニーズを抱えた他のユーザーが自社に合ったアプリケーションをユーティリティコンピューティング方式で利用できるようになるのです。



CENTのB・ゲイツのインタビューもSaaSを意識したものとなっている。
ビル・ゲイツ、グーグルを語る

「server-equals-service」という新たな用語も出てきている。これは、サービス提供のみのGoogleとの違いを強調するために作った言葉なのだろう。

●引用

    • ソフトウェア開発者の間では、PCではなく、ウェブ上で動くアプリケーションを開発することへの関心が高まっています。GoogleやYahooといったウェブ関連企業に、開発者の関心を奪われる恐れはありませんか。

 そのような心配はしていません。われわれは現在、「サーバ・イコール・サービス(server-equals-service)」というアーキテクチャに注目しています。このアーキテクチャを導入すれば、「Exchange Server」のすべての機能をオンラインサービスとして提供できるようになります。もちろん、従来のライセンス契約を通して、Exchange Serverを購入することも可能です。どちらの方法でも、ユーザーはExchangeの機能を同じように利用することができます。また、今回のPDCでは「MSN Search」と「MSN Virtual Earth」のAPI(application programming interfaces)を公開し、開発者がその他のサービスを利用しながら、クライアントアプリケーションを開発できるようにしました。将来的には、サーバソフトウェアを購入しようと、オンラインサービスに申し込もうと、まったく同じ機能を利用できるようになります。