破壊的なユーティリティコンピューティング

ユーティリティコンピューティングはやはり既存のベンダーのビジネスモデルを破壊するイノベーションなのだろう。どの企業が成功するか要注目。

IT最新事情 第49回〜「ユーティリティ・コンピューティングの本格時代は2年後」
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/rep01/356442

●引用
「ITシステムの究極な姿はユーティリティ・コンピューティングになる」。富士通研究所の宮澤君夫常務取締役はこう確信し、IT関連製品の研究開発の重点をここに据えている。その時代が本格化するのは2年後と予想する。


ユーティリティ・コンピューティングとは電気や水道、ガス、電話のように、ユーザー企業はIT資源を使いたい時に使用し、しかも使った分だけの料金を支払う仕組み。いわば発電所にあたる大型サーバーやストレージなどの設備は自社では待たず、発電所を構築する企業と使用契約を結ぶもの。その時代は「電気のようにIT資源を有効活用するサービス会社と、その基盤となる技術を提供する会社になる。富士通はその両方を手掛ける」(宮澤氏)。
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ユーティリティ・コンピューティングは、ITベンダーのこれまでのビジネスモデルを壊すものでもある。ユーザー企業から請け負う型でのシステム開発はなくなるし、サーバーなどの機器を販売し収益を得る構造もなくなるからだ。設備やアプリケーションを含めた形のサービス提供型なので「現在の10倍以上の顧客を確保しなければ成り立たない」(宮澤氏)。
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もう1つのグリッド・コンピューティングは、例えば異機種のサーバーをつないであたかも1つのサーバーにするもの。ネットワークに接続されているITシステムを有効活用する機能である。「プラットホームにオープンの機能を入れ、そしてグリッドで仮想化し、Webサービスでパワーアップする。Webサービスの普及は10年もかからないだろう。アプリケーションはどんどんWebサービス化していくことになる」(宮澤氏)。