モジュール型アーキテクチャとSOA
ユーザ会社のシステムの歴史を振り返ると、
自社でシステムを構築(自社内で垂直統合)→パッケージを利用(モジュール型アーキテクチャへ移行)
という形で進んでいるが、パッケージは相互依存度がまだ高いものではないかと思う(カスタマイズするには高度な知識が必要であったり、プラットフォーム依存であったり、パッケージを他のパッケージに容易にすりかえることができない等)。
そこで、さらに、モジュール型アーキテクチャを推進したものがSOAではないかと思う。但し、以下でも述べられているように、機能が十分な(顧客の要求性能を上回っている)世界においてでないとSOAは適用できないのではないかと思う。
また、「イノベーションへの解」で、魅力的な利益はバリューチェーンの中で移動する(魅力的な利益保存の法則)ことが述べられている。
よく、SOAの講演を聞くと、ノンコア業務は外部のWebサービスを呼び出すことにより、柔軟で迅速な対応ができる、という話を聞くが、
現在、ノンコアの業務が将来、利益を生み出す(競争力を生む)業務に変わるかもしれない。この時に、外部のWebサービスを呼び出しているとなると、他社と差別化できないものとなり、足元をすくわれかねない。バリューチェーンの1プロセスを提供するWebサービスがでてきたとしても、安易にベンダーの言うとおりにノンコアだから、Webサービスで外部調達ということでは危険かもしれない。
イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,マイケル・レイナー,玉田俊平太,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2003/12/13
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